税理士への無料相談を検討されている方へ
1 無料相談の目的について
税理士への相談の目的としては、様々なものがあると思います。
その中でも、税理士への無料相談を利用する最大のメリットは、依頼する税理士を選ぶためのハードルが下がるということにあると思います。
税理士に申告や顧問を依頼するとして、どの税理士に依頼するかは、悩ましい問題だと思います。
特定の税目について言えば、詳しい税理士と詳しくない税理士がいるのが実情ですが、どの税理士が特定の税目に詳しい税理士であるかは、明らかではないことが多いと思います。
このような場合に、無料相談を積極的に利用し、複数の税理士に相談することができれば、どの税理士がどの税目に詳しい税理士であるかを、ある程度判別することができる可能性があります。
このように、無料相談は、依頼する税理士を選ぶにあたって、積極的に活用することができる制度であると言えます。
2 税理士への無料相談で注意するべきポイント
それでは、実際に無料相談を行う際には、どのようなポイントに着目すれば良いのでしょうか。
重要なポイントは、税理士の回答が自分にとって最も有利かどうかではなく、税理士の回答の理由付けが納得できる内容であるかどうかに着目すべきであるということです。
当然ながら、納付する税金が少なくなればなる程有利ではあります。
とはいえ、法令について無理のある解釈や、実務と乖離した処理によって、申告する税金を減らしたとしても、後日、税務署から指摘がなされ、追加の本税とともに、加算税や延滞税を納付しなければならなくなるおそれがあり、かえって不利になってしまいます。
税務署に対して申告する以上は、合理的な解釈・処理に基づいて、申告を行うべきでしょう。
他方、税金の計算については、複数の計算方法が認められている部分もあります。
このような場合には、最も有利な計算方法を用いたいところでしょう。
許容された計算方法の中で、最も有利な計算方法を説得的に用いることができるかどうかが、結論を分けると言うことができます。
以上から、無料相談を利用する際には、納得できる理由付けに基づいて、合理的かつ有利な回答を導くことができる税理士を探すことに主眼を置くべきでしょう。
税理士に税務相談する際に用意していただくもの
1 税務相談とは
税務相談は、税金に関する様々な相談が含まれてきます。
税務相談の内容は、税金の種類問題となっている事項によって様々なものがあります。
このため、税務相談の必要書類も、税金の種類、問題となっている事項によって、異なってきます。
ここでは、代表的な例として、確定申告に関する必要書類を説明したいと思います。
2 収入、経費に関する資料
所得金額を算定するベースとして、収入、経費に関する資料が必要になります。
個人事業主の場合は、売上、経費に関する資料として、帳簿をご準備いただくと良いでしょう。
サラリーマンや年金受給者の場合は、源泉徴収票をご準備いただきます。
株式や投資信託の取引を行っている場合は、年間の取引をまとめた報告書が証券会社から届く等しますので、こうした書類についてもご用意いただく必要があります。
3 控除に関する資料
所得税には、生命保険料控除、社会保険料控除等、所得税を軽減する様々な制度があります。
生命保険料や社会保険料を支払っており、これらが源泉徴収票等に反映されていない場合は、これらの支払の証明書をご用意いただくと良いでしょう。
4 マイナンバーに関する書類のコピー
申告に際しては、マイナンバーに関する書類の添付が求められています。
このため、マイナンバーカードやマイナンバー通知カード(両面)のコピーを提出することとなります。
これらの書類がない場合には、マイナンバーが記載された住民票のコピーを提出することもあります。
5 前年度の確定申告書
必須の書類ではないですが、重要な参考資料として、前年度の確定申告書をご準備いただくと良いでしょう。
前年度の確定申告書を確認することにより、今年度についても利用することができる控除の存在を確認することができることがあります。
税金については、前年度との比較という考え方が重要ですので、このような理由からも、前年度の確定申告書を確認することが多いです。
各専門家が協力できることの強み
1 税理士と他の専門家との協働
税理士と他の専門家が協働すべき場面は、様々です。
ここでは、いくつかの例を挙げて説明したいと思います。
2 弁護士との協働
税金の申告を行う過程で、法律問題が発生することがあります。
このような場合には、税理士と弁護士が協働すべき場面が生じできます。
たとえば、相続の場面で、相続人間で紛争が発生した場合には、税金の申告を行う前提として、あるいは税金の申告と並行しながら、弁護士が相続人間の意見調整を行うべきことがあります。
3 司法書士との協働
税金対策のため、不動産の名義変更を行うことがあります。
また、相続の場面でも、不動産の名義変更が必要になってきます。
このような場合には、司法書士が不動産の登記申請の手続を行うこととなります。
4 行政書士との協働
一定の事業については、事業活動を行う過程で、行政機関の許認可を得る必要が出てきます。
このような場合、許認可を得るため、税理士が資料を作成し、行政書士と連携して、許認可の申請の手続を行うことがあります。
5 税金についてのご相談
このように、税金の問題では、他の専門家と協働すべき場面がしばしば生じてきます。
こうした場面では、グループに他の専門家が所属している事務所の方が、円滑に連携して問題への対処を行うことができるものと思います。
当法人は、弁護士業務、司法書士業務、行政書士業務についても担当させていただいています。
税金の問題でお困りのことがありましたら、お問い合わせください。
相続対策と税理士
1 なぜ、税理士に相続対策の相談を行うか?
相続対策と言うと、税理士を思い浮かべる方が多いのではないかと思います。
なぜ、税理士に相続対策の相談を行うのでしょうか?
以下では、その理由を説明したいと思います。
2 普段の財産状況・経営状況を把握している
税理士が所得税や法人税の申告の案件を受けたり、顧問契約を組んでいたりする場合には、普段の財産状況や経営状況を把握しています。
このため、普段の財産状況や経営状況を踏まえ、最適な相続対策としてどのようなものであるかを提案することができます。
たとえば、現金、預貯金で財産を所有するよりも、不動産に買い替えて所有する方が、相続税の課税上有利になることがあります。
一般に、現金、預貯金を不動産に替えると、資産の評価額が減少し、相続財産の総額も減額されることとなるからです。
このように、資産構成を変化させることによる相続対策を提案することは、普段から財産状況を把握している税理士だからこそ、できることであると言うことができます。
3 税金に関する詳細な知識が必要になる
世間では、相続対策の手法に関する情報を、書籍やインターネット等、様々なルートで入手することができます。
しかし、こうした相続対策の中で、どれを用いるのが適切であるかは、それぞれが有している資産、生活状況、これらの今後の見通し等によって、大きく異なっています。
このため、書籍やネットに記載されている相続対策をとりあえず実行しただけでは、上手くいかないことが多々あります。
様々な相続対策の中で、どれが適切であるかを判断するためには、税金に関する詳細な知識が必要になってきます。
税金に関する詳細な知識を持っている専門家は、税理士以外にはありません。
4 相続対策に関するご相談
以上の理由から、様々な相続対策の中から、最も適切な相続対策を絞り込み、提案することができる専門家は、税理士のみであると言うことができます。
相続対策をお考えの方は、税理士までご相談ください。
不動産に強い税理士に依頼するメリット
1 税理士が不動産の問題を取り扱う場面
税理士は、申告等の場面で、不動産の問題を取り扱うことがあります。
代表的なのは、相続税や贈与税の申告を行うにあたり、不動産の評価を行う場面、不動産を売却した年度の所得税の申告を行うにあたり、不動産の譲渡所得の申告を行う場面になります。
このように、不動産を取り扱う場面では、どの税理士に依頼するかによって、計算結果が異なってくることがあります。
ここでは、不動産の評価について、詳しく説明したいと思います。
2 税理士による不動産の評価
申告を行う際には、多くの場合、税理士本人が不動産の評価を行います。
不動産鑑定士に不動産の評価を依頼することもありますが、例外的な場面に限られます。
税理士は、法令や先例にしたがって、不動産の評価を行います。
不動産の評価について、法令や先例は、複数の評価方法を定めていたり、様々な減額特例を定めていたりします。
このような場面で、税理士が、最も合理的な評価方法を用いることができるか、減額特例を網羅的に用いることができるかが、不動産の評価結果を大きく左右することとなります。
さらには、このような評価方法、減額特例は、頻繁に変更がなされています。
このため、最新の法令、先例を把握し、これを適切に適用できるかどうかが、評価の結果に影響してきます。
たとえば、地積規模の大きな宅地については、評価額を減額することができるとされています。
この特例については、地積が1000㎡を超える場合に用いることができるとされています。
ただし、三大都市圏に限っては、地積が500㎡を超える場合に用いることができます。
ここでいう三大都市圏には、意外に周辺の県の市町村までが含まれています。
このため、評価対象地の所在地が三大都市圏に含まれることを見逃してしまい、地積が1000㎡を超えないという理由から、地積規模の大きな宅地に該当することを見逃してしまったりします。
過去にも、地積が550㎡の土地について、別の税理士に相談したところ、地積規模の大きな宅地ではないとの前提で評価がなされましたが、当法人で確認したところ、三大都市圏に含まれる市であったため、地積規模の大きな宅地に該当することを理由に、評価額を減額することができた事例がありました。
このように、税理士によっては、不動産の評価結果が大きく異なってくる可能性があります。
より合理的な不動産の評価を行うためには、不動産に強い税理士にご相談いただくのが良いのではないかと思います。
税金について税理士に相談すべきケース
1 税理士に相談すべき場合
給与収入や年金収入で生活している場合には、税金の問題を意識することは、あまりないものと思います。
給与収入については、源泉徴収と年末調整の制度がありますので、多くの場合、会社が税金についての対応を肩代わりしてくれます。
年金収入についても、源泉徴収の制度がありますので、別途、税金への対応を行う必要も乏しいところです。
とはいえ、給与収入や年金収入についても、確定申告を行った方が良い場合があります。
このような場合に該当するのでしたら、一度、税理士にご相談いただいた方が良いのではないかと思います。
以下では、確定申告を行った方が良い場合の例について、説明したいと思います。
2 多額の医療費を支払った場合
1年間に支払った医療費が10万円を超える場合には、医療費控除の対象になり、所得税が軽減されます。
また、1年間に支払った医療費が総所得金額の5%を超える場合にも、医療費控除の対象になります。
ただし、保険会社の医療保険金や自治体の高額療養費等で補填された分については、医療費控除の対象にすることはできません。
ここでいう医療費は、自分の医療費だけでなく、生計を一にする親族の医療費も含まれます。
配偶者や子の医療費を支払った場合には、他の確定申告で医療費控除の対象にしていないのでしたら、これらを医療費控除の対象にできます。
自分や家族が、入院した場合には、1年間の医療費が10万円を上回ることは、しばしばあります。
また、定期的に通院治療を受けていると、1年間で、意外に多額の医療費がかかっていることもあります。
1年間に支払った医療費の金額次第では、医療費控除の利用を検討しましょう。
3 税理士相談
過去に確定申告がなければ、どのように確定申告を行えば良いか、戸惑われることも多いものと思います。
当法人は、初めて確定申告をされる方のご相談もお受けしています。
確定申告についてのご相談をご希望の方は、税理士にお問い合わせください。
財産評価に強い税理士に相談すべき理由
1 財産評価の結果は、税理士によって異なる可能性がある
相続税や贈与税の申告を行う場合には、前提として、相続や贈与の対象となった財産の評価を行う必要があります。
財産の評価方法については、財産評価基本通達等が、一律のルールを定めています。
ところが、ルールが一律であったとしても、実際に税理士が財産評価を行うと、評価結果が大きく異なってくることがあります。
特に、不動産については、税理士によって、大きく評価結果が異なってくる可能性があります。
そのため、不動産を適切に評価するためには、不動産評価に強い税理士に相談するのが望ましいということになります。
以下では、この点について、詳しく説明したいと思います。
2 不動産評価の特殊性
不動産評価の特殊性の1つとして、特別法の規制を把握しておく必要があることが挙げられます。
不動産評価にあたっては、法的な知識を用いなければならない場面がしばしばあります。
その中でも、普段の生活とはあまり関わることがない、特別法の規制を理解しておくべき必要がある場合があります。
たとえば、土砂災害特別警戒区域にある土地については、一定程度、不動産の評価額を減額できることとなっています。
しかし、土砂災害特別警戒区域かどうかについては、普段の生活で意識することは、あまりないものと思います。
他にも、都市計画法上、建物の建築が可能であるかどうか等が問題になることもあります。
確かに、こうした規制の存在を見逃したとしても、一応、不動産の評価額を導き出すことはできますが、適切に評価を行った場合と比較して、大きな評価額になってしまい、課税される相続税の額も大きくなってしまうこととなります。
適切に不動産を評価するためには、このような、普段の生活でほとんど意識することのない、特別法の規制も考慮して、評価を行う必要があります。
税金でお困りの方の相談先
1 税金についての相談
一口に税金の相談と言っても、多種多様な場面があります。
以下では、代表的な場面について、いくつかの相談先を紹介したいと思います。
2 記帳の場面
日々の経理処理では、入出金記録、請求書、領収書等の資料から、帳簿を作成する必要があります。
こうした記帳を行う場合の相談先として、まず、国税庁の電話相談や税務署での面談相談を利用することが考えられます。
これらは、基本的には、個別の質問に対して回答するという形をとりますので、あらかじめ自分で疑問点をまとめた上で相談を行う必要があります。
また、質問に対する回答を踏まえて、自分で帳簿の作成を行う必要があることとなります。
次に、税理士に相談することが考えられます。
どのような形での相談が可能であるかは、税理士との契約内容によっても異なってきます。
たとえば、個別の仕訳処理について、税理士に質問する形もあり得ます。
また、記帳代行も依頼した場合は、入出金記録、請求書、領収書等の資料を税理士に渡し、税理士の方で帳簿を作成するといった形で、包括的に記帳に関することを委ねることもあり得ます。
3 申告書の作成の場面
申告期限が近づくと、期限までに、申告書を作成し、提出する必要が出てきます。
申告書の作成については、どのような資料を添付しなければならないのか、どのような計算過程を経て、どのように申告書に記載しなければならないのか等、様々な疑問点が生じてきます。
申告書の作成に関する相談先も、記帳代行とほぼ同様になってきます。
国税庁の電話相談や税務署での面談相談を利用することが考えられますが、基本的には、あらかじめ自分で疑問点をまとめた上で相談を行う必要がありますし、自分で申告書を作成する必要もあります。
税理士については、契約内容によりますが、個別に質問する形もあり得ますし、資料を税理士に渡し、税理士の方で申告書を作成するといった形で包括的に委ねることもあり得ます。
4 適切な相談先
このように、自分がどのような関与を求めるかによって、適切な相談先は変わってきます。
自分で作成する手間を省き、専門家に任せたいという場合は、税理士に相談・依頼する必要があります。
税理士に相談する際の流れについて場面ごとにご紹介
1 税理士への相談の流れ
すでに顧問になっている税理士が存在する場合は、定期にせよ不定期にせよその税理士に相談することができますが、顧問の税理士がいない場合には、どのように税理士に相談することができるのか、戸惑われることもあるかもしれません。
以下では、税理士に相談する際の流れについて、場面を分けて説明します。
2 相談に向けた準備を行う場面
税理士に相談する前に、相談時に持参する資料を整理しておいた方が良いと思います。
税理士に資料を確認してもらうことで、税理士の方もより適切な回答を行えるようになります。
特に、顧問を依頼する税理士を誰にするかを決めるための相談では、事業の現状や過去の申告の状況についての情報を共有することが必要不可欠です。
このような場合は、現在作成している帳簿や過去に作成した申告書等の資料を準備しておくと、税理士と必要な情報を共有することが容易になります。
とはいえ、どのような資料が必要かについて、戸惑われることもあるかと思います。
相談時に持参すべき資料について、事前に税理士や税理士事務所の職員に問い合わせ、どのような資料が必要になるかを確認しておくことも考えられます。
3 実際に相談する場面
個々の税理士で相談の進め方は変わってきますが、おおまかな流れとしては、税理士に現在の状況を説明し、疑問に思っていることを伝えて、回答を求めることになるかと思います。
回答するにあたって追加の情報が必要になる場合は、税理士からも質問がなされます。
一度の相談で終わることもありますし、後日、追加の疑問点が出てきた場合は、再相談を行うべき場合もあるかと思います。
4 税理士に依頼する場面
相談後、税理士に依頼したいと考えた場合には、そのことを税理士に伝え、顧問契約等を締結することとなります。
顧問契約等を締結する場合には、税理士が関与する範囲、税理士費用について税理士と協議します。
後からトラブルが生じないように、不透明な部分を残さず、細部までしっかりと確認することをおすすめします。
これらについて合意が成立した場合には、税理士と正式に顧問契約等を締結することとなります。
税理士に依頼するタイミング
1 税理士に依頼するタイミングは税目によって異なる
人生で納付しなければならなくなる可能性のある税目には、様々なものがあります。
収入があれば、所得税を納付する必要がある可能性がありますし、物の売買やサービスの提供を行っていれば、消費税を納付する必要がある可能性があります。
財産を相続した場合には、相続税を納付する必要がある可能性がありますし、財産の贈与を受けた場合には、贈与税を納付する必要がある可能性があります。
これらの税金は、税目ごとに、どのタイミングで申告や納付の検討を行うべきか、申告のためどのような準備を行うべきかが変わってきますので、税理士に依頼するタイミングも変わってくることとなります。
ここでは、いくつかの税目について、税理士に依頼するタイミングを説明したいと思います。
2 相続税の場合
相続が発生した場合には、相続税の申告、納付を行う必要が生じる場合があります。
具体的には、相続財産の総額が基礎控除額(3000万円+600万円×法定相続人数)を超える場合には、相続税の申告を行う必要があります。
上記には、みなし相続財産(生命保険金、死亡退職金)のうち、500万円×法定相続人数を超える部分の金額も加算されます。
このような計算を行い、相続税の申告を行う必要性があることが判明した場合には、早期に税理士にご相談いただくのが良いでしょう。
相続税が課税される場合には、相続が発生してから基本的には10か月以内に、申告書を税務署に提出し、相続税を納付する必要があります。
申告書を作成するには、前提として、相続財産を網羅的に調査し、個々の相続財産の評価額を算定する必要があり、こうした作業を正確に行うには、まとまった時間を要します。
相続税は、基本的には、10か月の期間内に全額を一括納付する必要がありますので、早めに相続税を概算し、納税資金の準備を行っておいた方が良いでしょう。
これらの点を踏まえると、早期に税理士に相談し、申告、納付の準備を行うのが望ましいと言えます。
3 贈与税の場合
贈与税の申告、納付の期限は、贈与がなされた日の翌年の3月15日までとなっています。
贈与税については、贈与を行う前の段階で税理士に相談するのが望ましいでしょう。
贈与税は、税率がかなり高く設定されていますので、いかなる財産をいくら贈与すれば、いくらの贈与税を納付することとなるかをシミュレーションした上で、合理的な税負担の範囲内で贈与する財産を決めるのが一般的だからです。
また、贈与税の申告の際、特別な制度を利用することで、納税額を軽減できることがあります。
このため、どのような制度を用いるかをシミュレーションした上で、贈与する財産を決めるのが合理的であると言えます。
以上の理由から、贈与税については、贈与を行う前の段階で税理士に相談するのが望ましいと言えます。
申告や顧問契約を依頼する場合の税理士の選び方
1 経営判断の資料の作成に対応
税理士の仕事は、申告や税務調査対応に限られるわけではありません。
税理士は、会社の経営判断に必要不可欠な資料をもっています。
経営判断の資料を作成し、経営のパートナーとして活動することも、税理士に依頼するニーズの1つになります。
たとえば、月次で決算資料を作成する税理士も存在します。
経営は、臨機応変になされるべきものです。
毎年の決算書をチェックするだけでは、臨機応変な判断を行うのは困難です。
このような理由から、月次の決算書の作成に対応している税理士の方が、より望ましいということになります。
経営のパートナーとして力になってくれる税理士をお探しの場合は、経営判断の資料の作成に対応した税理士に依頼することが望まれます。
2 記帳代行に対応
会社や個人事業主のニーズとして、売上や経費についての帳簿の作成も含めて依頼したいといったものがあります。
請求書や領収書の整理や帳簿の作成にリソースを割くことができないため、代わりにこれらを依頼したいというニーズもあるかと思います。
膨大な請求書や領収書等の書類がたまってくると、これらの書類の整理や帳簿の作成は、後回しになってしまいがちです。
その結果として、申告期限の直前に、大慌てで帳簿を作成しなければならない事態にもなりかねません。
こうした事態を避けるため、請求書や領収書等の書類の整理、帳簿の作成を、誰かに委ねたいこともあるかと思います。
このような場合は、いわゆる記帳代行に対応している税理士に依頼すべきです。
3 税理士を依頼する場合の税理士の選び方
依頼する税理士を選ぶ際には、以上のポイントを参考にしていただけましたらと思います。
ニーズによっても、どのような税理士に依頼すべきかが変わってきます。
どのような業務を税理士に任せたいと思っているのかを明確にして、ニーズを踏まえた税理士を選ぶことが大切です。
ご相談から申告までにかかる時間について
1 税目によって異なる
税金についての相談を行ってから、申告書を作成するまでにかかる時間は、税目によって異なります。
以下では、所得税を例として説明したいと思います。
2 税理士が所得税申告を行う場合
⑴ 短期間で済むケース
所得税については、年金や給与所得等の定期的な収入、資産の譲渡や生命保険の解約等の1回限りの収入に限られている場合には、申告書の作成までの時間が短期間で済みます。
この場合、収入の資料としては、源泉徴収票や支払調書に限られるでしょうから、収入の資料をまとめるのにそれ程多くの時間を要しません。
また、経費についても、この場合は、申告書に記載すべきものはほとんどないものと思います。
あとは、生命保険料や社会保険料、医療費の控除があるかどうかですが、これらの資料の整理についても、それ程時間はかからないものと思います。
これらの作業を済ませ、申告書の作成を行うまで、1~3週間程度で済むことも多いです。
⑵ 時間を要するケース
他方、事業収入がある場合には、毎回の収入や経費について、帳簿をまとめてから、申告書を作成する必要があります。
こうした帳簿が作成されていない場合には、帳簿を作成し、申告書を完成させるまで、かなりの時間が必要になります。
取引の量にもよりますが、少なくとも1か月の時間を見込んでおく必要があるといえます。
このため、事業収入がある場合は、多くの税理士は、顧問契約を締結し、継続的に関与しています。
また、帳簿の作成についても税理士に委託する、記帳代行の契約がなされることもあります。
3 税理士へのご相談
このように、収入の内容次第では、ご相談から申告書の作成まで、かなりの時間を要することもあります。
ご相談が遅れると、申告期限までに申告書の作成が間に合わないことも起こり得ます。
したがって、税理士への税金についてのご相談は、早めにしていただいた方が良いです。