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相続人以外の人が負担した債務、葬式費用と相続税

  • 文責:税理士 寺井渉
  • 最終更新日:2021年3月1日

1 債務、葬式費用と相続税

相続人が被相続人の債務、葬式費用を負担した場合には、遺産総額から債務、葬式費用を控除した金額について、相続税が課税されることとなります。

つまり、相続人が被相続人の債務、葬式費用を負担した場合には、相続税の負担が軽減されることとなります。

それでは、相続人以外の人が被相続人の債務、葬式費用を負担した場合には、遺産総額から債務、葬式費用を控除することができるのでしょうか?

以下では、場合分けをして説明したいと思います。

2 包括受遺者の場合

相続人以外の人が、遺言により、相続財産の全部または一定割合を引き継ぐものとされることがあります。

これを包括遺贈といいます。

包括遺贈がなされた場合には、受遺者(遺贈を受けた人)は、相続人と同様の法的地位を有することとなり、プラスの相続財産の全部または一部を取得するだけでなく、マイナスの相続債務の全部または一部を負担することとなります。

このように、包括遺贈がなされた場合には、受遺者(遺贈を受けた人)は、相続人と同様の法的地位を有することとなりますので、被相続人の債務、葬式費用を負担した場合には、遺産総額から債務、葬式費用を控除することができることとなります。

参考リンク:国税庁・相続財産から控除できる債務

3 特定遺贈の場合

相続人以外の人が、遺言により、特定の相続財産(特定の不動産、特定の預貯金等)を引き継ぐものとされることがあります。

これを特定遺贈といいます。

特定遺贈がなされた場合には、受遺者(遺贈を受けた人)は、特定の相続財産を取得するだけであり、マイナスの相続債務を負担することはありません。

このように、特定遺贈の受遺者(遺贈を受けた人)は、本来、相続債務を負担すべき立場には立たないですので、仮に相続債務を負担したとしても、遺産総額から債務を控除することはできません。

同様に、特定遺贈の受遺者(遺贈を受けた人)が葬式費用を負担したとしても、遺産総額から葬式費用を控除することはできません。

4 生命保険金の受取人の場合

生命保険金の受取人は、相続税の課税上、特定遺贈の受遺者(遺贈を受けた人)と同様の扱いがなされることが多いです。

このため、生命保険金の受取人が債務、葬式費用を負担したとしても、特定遺贈の受遺者(遺贈を受けた人)と同様、遺産総額から債務、葬式費用を控除することはできません。

5 相続放棄をした相続人の場合

相続放棄をした相続人は、法律上は、相続人の地位を失うこととなります。

このため、相続放棄をした相続人は、プラスの相続財産を取得することはない反面、マイナスの相続債務を負担することもありません。

このように、相続放棄をした相続人は、本来、相続債務を負担すべき立場にはないこととなりますので、相続債務を負担したとしても、遺産総額から債務を控除することはできません。

他方、葬式費用については、国税庁は、相続放棄をした相続人が負担した場合には、遺産総額から葬式費用を控除することができるとしています。

これは、相続放棄をした相続人であっても、葬式費用を負担することは一般的にあり得るためであると考えられます。

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